巨大ダンプの下! (BD-6)

僕が会社を潰して数年後、必死にフリーのプランナー、営業をやっていたが、以前いたDA社に通っていた大手調査会社FK社のディレクターTJに出会った。安い予算で良くやってくれた男で誠実な感じがした。今はやはり会社をやめ独立してコンサルをやっているという。FK社の社長の娘と結婚し将来を嘱望され、サラリーマンとしては成功者の部類に入ると思うが、その内何故かFK社を辞め、その頃はコンサル事業も不調で累積赤字が5000万あるという。僕らはお互いの強みを活かし時々組んで仕事をした。初めのうちは良かったが、その内本性を現し始めた。彼の立会いの元幾つかの仕事を引き受けたが、3つ続けてヤレだった。企画料を踏み倒されたり、無料で企画を書かされたり、仕事を受けた会社が倒産し制作料を取りっぱぐれたり散々であった。僕はかなり人が良いので、一度ぐらい騙されても知らん顔をしているが、3回連続ではさすがの僕も怒った。そしてちゃんと責任を取れと迫ったが、俺は知らないよ、関係ないよとにべもない。

これは意識的に騙したな、人の良い僕を利用したなと思ったので、彼との付き合いを止めた。仏の顔も3度?である。彼も相当困っていたのだろうが人を騙す事は良くない。古いお互いに誠実な付き合いだったのに。人間は苦しくなると本性が出てくる、恐ろしいネ。僕は自分が相当苦しく追い詰められても人を欺く事はしたくない。その人間の基本的な部分の問題だからネ。だから僕は100万を超える損害を蒙ったが諦めた。詐欺に掛かったようなもんだ、自分が甘い。でもそんなに人が悪くはなりたくない。基本的には人を信じたい。その内ある夜夢を見た。僕とTJが一緒にチビタ車に乗っていた。そしてスポンと巨大なダンプの下に嵌り込んだ。もう動きは取れない。前にも後ろにも行けない。そこでハッと目が覚めた。分かった、やはり彼とはもう付き合うべきではない。彼の上から悪しき巨大な力が覆っている。このまま付き合うと僕まで巻き込まれる。それ以来彼とは付き合っていない。

数ヶ月前これも欲の張った老夫婦、良い商品(健康食品数点)を持っているのに、自分でプロモーションしようとせず、常に他人のフンドシで相撲を取ろうとする浅ましい老夫婦。だからせっかくの良い商品も他社に負け今や市場から消えようとしている。その老夫婦がまた欲で目をギラギラさせ、詐欺のような儲け話を追っている。僕は相談を受けたが適当にあしらっていたら、突然TJがその老夫婦の前に現れた。類は友を呼ぶ。欲ボケ老夫婦と詐欺コンサル。僕は老夫婦に一応敬意を表しTJは危ない事を話したが、考えれば似たり寄ったりの連中。放っておこう。
僕はその老夫婦にかなりはっきり、欲で目をギラギラさせるのは良くない。いい死に方はしないと告げたが、残念ながら彼らには分からない。何しろ餓鬼道、畜生道に落ち込んだ人達だからネ。残念…。 (2009年11月4日)