テニスイベントの夢 (PD-7)

テニスイベントの夢を見た。具体的にどんな大会か良く分からないが…。僕は大きな会議室のような所にいた。そこにはDA社の総務部長でテニス部の部長のKDさん、今は農業をやっているはずだ。YGテニスクラブでサービス&ボレーの綺麗なテニスをやるWBさん、それと僕とは腐れ縁のドクターME。机の上を見ると僕が書いたエクセルで作った企画メモと、ワードの企画概要が乗っている。僕の企画立案らしい。僕はSP(セールスプロモーション)指向で、今まで国際的な大会、イベントを4つ手がけていた。14歳以下のジュニアの世界大会。ゴルフのハンディキャップのようなテニスレイティング大会。そしてシニアの国際大会。マッケンローやコナーズ、ボルグを呼んで。もう一つはウォーキングの国際大会。いずれもビジネス中心ではなく、ソーシャルイベントとしてやった。つまり社会を活気付けたり、イキイキさせるためである。

MEとは本当に腐れ縁である。材料はMEが持ち込んでくる。私は知恵を出す、貴方はお金を出しなさいと平然と言う。シニア大会も彼が企画を持ち込んできた。しかも僕はクーデターで会社を辞め、やむなく自立した時である。どうして電通に持ち込まないのかと問うと、電通のような大きな会社では仕事を取られてしまうからと言った。どうせ相手にされなかったのだろう。電通は儲からない仕事はやらない。僕はどうせなかなか決まらないだろうと思って企画・見積もり等はMEに任せたままにしていた。しかしこれが後々最大の障害になる。僕が潰れる原因になる。MEはT大出のインテリで、大手製薬会社の研究員をやっていた。だから数字には強いと思っていた。彼から出た見積もりは相当安かった。僕は半信半疑ながら(甘いッ!)営業を進めたところ、数社目で特別協賛が決まった。逆に僕はあわてた。自分で再度見積もりを取った。案の定必要コストの1/3しか出していない。しかも先方の、アメリカのツアーの契約案は良く調べてみるとエアとホテル・食事はこちら持ちである。これでも3000万前後かかる。MEはこの部分も僕が英語を弱いのをいいことにして、この件は両者の相談事だと嘘をついた。僕のような小さな個人会社を騙してでもこのイベントをやりたかったらしい。僕は頭に来たので弁護士立会いのもとで彼を追っ払った。それとスポンサーと再交渉し事実を話し特別協賛料を3倍に上げてもらった。(ひどい話、良く了解してくれたヨ。このときのND社の広報部長が懐が深く優秀だった事がラッキーだった…)その後エアとホテルに営業をかけこの部分の3000万もクリアした。本当に良く出来たと思う。

しかし実際にやってみると想定外の出費や人件費がかかりどうしても3000万の赤字になった。それまで僕と家族、女房(管理)と長女(PC操作、チケット販売)だけでやっていて、僕は1年で糖尿病になった。これは今でも引きずりかなりの重症である…。だからやむを得ず2〜3人の社員を入れた。スポンサーには再々度交渉をしたがそれ以上は上がらなかった。このまま銀行の融資を受けつつ5年間やったが。ND社は5年で降り僕の会社は6年目の12月にとうとう倒産してしまった。負債総額はそういう意味では非常に正確で3000万×5年=1億5000万であった。出だしから少しおかしく、それを5年引きずり精魂尽き果てて自爆した。だからMEとは本当に腐れ縁である。MEはその後も自分の勝手な論理でトラブルを続け、テニス協会とも揉めている。最もテニス協会もヒドイけどネ。

僕はその後良くテニスイベントの夢を見る。たいていは上手くいかない夢である。多分前のことを引きずっているからだと思う。僕にとってテニスイベントは重要なワークコンセプトの一つであった。元々は自分が35歳からテニスを始め、初めは肥満対策でやっていたが、そのうちだんだん面白くなり、日本のジュニアを何とか強くしたいという希望を持つようになった。だから世界ジュニアやレイティングの大会をやった。しかし数十年やってきたがこの面では無理ではないかと思うようになった。テニスの国際大会はハードである。40〜50度にもなるコートの上で一試合数時間闘わなければならない。ましてや四大大会では一試合4〜5時間にもなる。ひ弱な日本人ではとても持たない。松岡も頑張ったが膝の故障でリタイア、今や売れっ子タレントだ。錦織が出てきたがあんな打ち方では長持ちしない。案の定もう肘を故障している。それとテニス協会もどうしようもない。古いまるで大学の体育会のような組織を引きずっている。野球やゴルフ、サッカーがいち早く近代化したのに、テニス界は変わらない。選手個人の努力だけである。昔スウェーデンがオーストラリアから優秀なマネジメントを招いてテニス大国になったが、日本テニス界の古い体質と頭ではそんな事は無理だ。

日本や東アジア、東南アジアでは、ある種目ではどうしても欧米人にかなわないところがある。テニスもそうだが、スキーの滑降や大回転などもそうだ。体力・筋力・持久力そして精神力でもどうしてもかなわない。だからテニスの四大大会で男子シングルス優勝というのは遠い夢かもしれない。(女子やダブルスは別だが…)僕は数十年間テニスイベントに関わり、たいした成果もなくもう老境?である。まあ一人の人間の力などこの程度かもしれないネ。  (2009年11月1日)