悲劇の悪夢 (PD-154)

今日の真夜中の夢は悲劇の悪夢だった。僕は何かの用事で病院に行く。僕は友達のブンタを連れて行った。画面は真っ暗である。ブンタは娘夫婦の愛猫で、中年の(10歳を過ぎている)オスの去勢猫である。僕とはマブダチで毎日頭をグリグリしたり、かじられたり、引っかかれたりして遊んでいる。ブンタは楽しそうに部屋の中を駆け回り、時々ドアに激突する。(少し鈍いのかな?)今や僕の唯一の友達である。でも少し寂しがり屋なのが気になる。しかし猫はいい。全く何の邪気もなく、至ってシンプルでピュアである。病院の待合室には多少の人と猫が数匹いた。ブンタは喧嘩もせず大人しく座っている。

僕は何かの用事があって数分あるいは10数分病院の外に出る。ブンタは待合室に残してきた。そして待合室に戻ると、そこには凄惨な情景が待っていた。中型犬が喉を食い破られて死んでいた。その下に血だらけのブンタがいた。僕は慌ててブンタを犬の下から引き出した。ブンタはまだ生きていたが、顔も血だらけで鳴く元気もない。しまった!ほんの少しの時間なのに。犬なんかいなかったのに。ほんの少しの油断が…。僕は慙愧の気持ちに震えた。ブンタすまない。でもその時に目が覚めた。部屋の中は暗闇だった。僕は決してブンタを外に連れ出すまいと心に誓った。何しろブンタはキジトラの模様も美しい箱入り猫である。そして娘夫婦や僕のかけがえのない家族である…。

昨年の春か、夏近くか僕はブンタを主役に別ブログに短編童話「変身」を書いた。ブンタが巨大化し足柄山の森の中で僕を救う話だ。ブンタは僕を襲った巨大熊に飛び掛りその喉に食らいつく。熊は山の中に逃げていったが、ブンタも巨大熊の手でなぎ払われ、重傷を負い血を流しながら山に帰っていく。という何とも悲しい童話だ。まさか夢の中とはいえこんな悲痛な事になるとは?僕は何だか怖くなった。今ブンタではないが、女房がパートの件で揉めているし、姪が離婚騒動の中にいる。世の中は身近な事でも中々恐怖に満ちている。血だらけのブンタは呆然とした眼をしていた。何と可哀想で悲痛な事か…。  (2011年2月8日)