タイト・ロープ (PD-249)

昨夜の夢は時々見る電車、地下鉄の夢。いつもは途中で行き先を見失う夢、あるいは行こうとする場所に行き着かない夢が多いが、昨夜はもっと奇ッ怪な夢だった。僕ら乗客はある駅から保線区にある、巨大な工場のような建物に入っていく。僕らだけが普通の線路を真っ直ぐ行くのではなく、途中で右に大きく曲がった。まァ左前?よりはいいか?そして地下鉄はいつの間にか車両ではなく、まさに一本のロープになっていた。僕ら乗客は皆そのロープにぶら下がって、さらに奥の部屋に、と言っても巨大な工場のようなスペースに入っていく。その先は何も見えない暗闇だ。ロープの手を離せばまさに第一巻の終わりだ。だからこれは単なるロープではなく、タイトロープだ。(タイトロープとは、綱渡りの張り綱の事)ロープの太さは3センチ位、夢なので手は別に痛まない。

これは僕らが(僕と同じ患者グループ)人工透析治療を受けている事の、現実と危険性を示すものなのか?つまり僕らは透析治療が命綱である。透析治療を受けなければ、患者は間も無く尿毒症などで死に至る。つまり人工透析はまさに僕らにとっての命綱だ。東日本大震災では透析患者が多数死んだという…。

起き掛けの夢は坊主の夢だ。そこは多分和歌山県の何処か?だろう。川が二つに別れ、深い切り立った谷をうがち、そこは見事な?三角形の島になっている。島というよりはその土地の地形、台地と言うべきか?その島の左側に一人の遊行僧が立っている。一遍だろうか?法然だろうか?僕は浄土経などは詳しくないので良く分からない…。ただそれだけの映像だ。夢なのでその映像は凄く象徴的で図解的だ。つまりその島の大きさと、遊行僧の大きさはあまり変わらない。でもこの夢は一体何を言いたいのか?サッパリ分からないなァ…。

先程のタイトロープの夢だが、元プランナーの僕は、人工透析をどうしてもビジネスとして見てしまう。透析患者は一人年間、投薬分も含めて約550万円かかる。あの病院の透析患者は50人位いるから、年間2億7500万円の大きなビジネスになる。つまり僕らにとっては透析はタイトロープ(命綱)ではあるが、病院にとっても貴重な?ビジネスソースだ。粗利益50%と見ても?このアイテムだけで1億3750万円の粗利が出る。僕らにとっては命綱であるが、一方治療費は猛烈に高い。でもこの位なければ病院はやっていけないのだろうか?何とお金のかかるビジネスだ。日本の医療費は何故こんなに高いのだろう?

そしてこれを全国規模で考えると、例えば透析患者が全国で20万人?いるとすると年間1兆1000億円になる。とてつもない数字だ。でも糖尿病の患者数は800万人だったっけ?それが進行すると腎臓疾患になるから、多分これから患者数はもっと増えるだろう。これはとんでもない数字だ。僕は長年糖尿病の投薬治療を受けていたが、あまり治療には熱心ではなった。また治療を受けていた病院も、腎臓病の危険性には触れなかった。だからせいぜい外傷での壊疽や、心臓疾患を気にしていた位だ。だから医者も悪い。どうして腎臓病に繋がる事を言ってくれないのか?こうなると医者の良心を疑いたくなる。一人の透析患者は医療機関にとっては貴重な収入源?だ。大量の透析患者はその病院の経営を潤すだろう…。腎臓の数値がドンドン悪化したので、僕は病院を今の所に変えた。でも既に手遅れだった…。

とうとう僕はこの出口のない?腎臓疾患に取り憑かれてしまった。病気というよりは、腎臓という重要な血液、体内浄化機能の欠陥だ。腎臓がそれを出来ないので、透析治療がそれを人工的に行う。つまり生存中はずっと透析治療に頼らなければならない。ヤレヤレ何と因果な事か?でも僕は諦めない。その内何か有効な回復治療が?開発されるかも知れない。何とか昔の正常な腎臓機能を取り戻したい。でもこの残酷な夢は?僕らはどこかの暗闇の中に入っていく所で終わった。ヤレヤレ…。でもまあ僕はそんなに命にはこだわらないので、淡々とこの所業?をこなしていこう。いつか回復してやるぞという希望、あるいは野望を持ちつつ…。


でもあとの夢、三角島と坊主の夢は一体何だろう?あの島、あるいは断崖はすぐにも崩れそうに見えた。そして僕がその内出家・遊行するのか?その三角島で厳しい修行でもするのか?何ともよく分からない夢だ…。


人工透析数をサイトで調べてみた――
2010年時点で、患者数約30万人、透析治療導入数約3万8000人、死亡数約2万8000人→透析治療を受けない人が凄く多い。まだ症状が軽いのか?3万8000人だと年間治療費は2090億円だ。以外と少ないと言うべきか?
一方糖尿病患者数は、推定で約800万人、予備軍を入れるとこの倍の1600万人になる。これは人口比(1億2700万人)で約8%になる。12.5人に1人の割合だ。