唱歌祭(SD-68)

僕は街角で大きな声で歌っている。イタリアの朗々と歌い上げる歌い方だ。だから多分イタリア民謡かカンツォーネだろう。歌っているのは僕だけではない。方々で大きな歌声が聞こえてくる。そしてしばらく歌っているうちに、一人の女性が近づいてくる。そして僕にピタリと張り付いた。僕はますます大声を上げ歌い続ける。見渡すと回りの歌い手にも、一人ずつ女性が張り付いている。この場所では、この歌はヒョットすると女性を呼び寄せる信号?あるいはパフォーマンスのようなものか?僕らはまるで小鳥か昆虫のようなものだ…。

その内街中のペアは、唇を重ね、さらに体を重ねるようになる。この夜は唱歌祭のような日か?あるいは男女の接合の祭りか?この町ではこの後しばらくたつと大量の私生児が生まれるかもしれない。ここはどこの国のどこの街だろう?とにかく僕は大声を出して歌い続ける。そして歌がうまくないと女性も寄ってこない…。

以前ブログに書いた“サクランボが実る頃”の歌を思い出す。サクランボの実る頃、農家には大量の季節労働者が来て、サクランボを収穫する。そしてその内村の娘と季節労働者が草むらに消えていくようになる。そして季節労働者が去りしばらくすると、娘たちの腹が膨れてくる。でも記憶ではそのあとが恐ろしい。娘たちは臨月になるとトイレに子供を産み落とす。昔のフランスも残酷な国だ。でも古くは子供の間引きは一般的だった。それは日本でも同じだった。


僕は大声を出して歌っていたが、夢なので実際には声は出ていなかったろう。でも大声で歌うことは凄く疲れることだ。だから目を覚ますとガックリしていた。近頃僕は荒唐無稽な夢をよく見るが、これも何だか変な夢だった…。