連続夢(PD−279)

今朝は以前見た夢と同じような夢を見た。前回の続きではなく、前回と同じような内容である。考えてみると僕はどうも同じような夢を時々見るようだ。つまり夢の方もネタが尽きて、同じような夢を見せるのか?あるいは夢のテーマが僕にとって非常に重要ものなのか?

夢の中身は簡単である。東京町田にパン屋を起こすという夢だ。何の新鮮味もない古びた夢だ。でもその背景には我が一族に係わる壮大な?ストーリーがある。というのはチョット大げさか?僕の父は北海道のNRパンの専務だった。資本家の老社長の下、数人で始めたパン屋を北海道有数のパン屋に育てた人だ。

僕は小さい頃からその父の姿をジッと見て来た。何のケレンミもない実直で粘り強い人だった。老社長の下で3人の若者はそのパン屋を大きくしていった。でもある時その中の一人が野心を起こした。組合と結託しクーデターを起こし、老社長を追い自分が社長になった。もう一人の若者、でもその時は既に40台だったが、怒って会社を辞めた。父はジッと我慢してその不法をこらえた。そして引退させられた社長の息子、大学出たての息子を入社させた。

父はその息子を可愛がり、仕事をどんどん仕込んでいった。数年後とうとうチャンスが来た。会社乗っ取り男は組合の委員長とともに、今までの不正を暴かれ会社を辞めさせられた。まるで安っぽい企業ドラマのようだが、こんな事は日常茶飯事どの企業でも起こる事だ。これは人間の根源的な幾つかの性格に基づくものだからだ。

北海道を席巻したNRパンはその後東京進出を考えた。しかし父は残念ながら、多分志半ばで胃ガンであっけなく死んだ。59歳だった。さぞかし無念だったろう。その後社長の息子は社長になり、ある時東京に進出した。町田にある工場を買い取り東京支社を開設した。その後僕は東京で随分NRパンの看板を見かけ、頑張っているなと楽しかった。

だから町田にパン屋を起こすという夢は、僕にとってはチョット因縁のある?夢だった。でも何でパン屋の夢なんか見るんだろう?僕は大学を卒業以来ズッと広告関係できた。それは僕の志望通りだった。僕が何かの事業を起こそうなんて考えても見なかった。まして父が苦労したパン屋なんか…。でも実は父は生前、僕の大学の4年生の頃、ある時僕を説得した。広告なんかのハカナイ仕事をしないで俺の会社に来いヨ。でも僕は広告業の将来性を語り、卒業後は電通の北海道支社に潜り込んだ。そこからチャンスを見つけ東京に出るつもりだった…。その後一生広告業でやってきた。


だから今更パン屋の夢なんか見ても、僕は戸惑うだけだ。でもその後再びパン屋の夢を見たらどうしよう?ヒョットしたらこれは父の夢がかかっていた事なのか?そうなると僕は結構親不孝という事になる。困ったもんだと言おうか?どうでもいいと言おうか?少し気になる夢だった…。