良く出てくる今はないビル (PD-02)

今日の夢は良く出てくる設定。僕はDMビルから社長のSAと出てくる。SAはそのまま帰るが、僕は良くやるように裏口に回りエレベーターで上へ行く。また仕事をしようとしている、これは何度も見る設定。何故裏口へ行くのか良く分からない。ここからが今までと違う。気がつくと僕は上階の部屋で寝ている。どうも途中で倒れたようだ。そういえば近頃糖尿病の調子が悪く、ややフラフラ、ボーッとしている。どうもこの部屋は何かの作業場のようだ。出かけた女社長が僕のことを心配しているとの事。そこへTRとIKが入ってくる。彼らも昔のDA社の仲間でこんな所にいてはダメだと僕を連れ出す。僕は靴を履き忘れたことに気づき部屋に引き返す。そうするとそこは多分クリーニング屋で、たくさんの作業員がいて僕の立派な靴は見つからない。――そんなどうでも良いような夢である。

このDMビルの裏口というのは良く出てくる夢で、そのエレベーターがグラグラで揺れ落ちそうだったり、たまには本当に落ちたり、上階に上がり薄暗い部屋でデスクワークを始めたり、とにかく色々な設定の夢を見る。このビルの6階で僕は20年近く働いた。広告屋だった僕は我侭で、初めの数年は会社から仕事を与えられていたが、その後は全て自分で仕事を作り出していった。自分で企画を書き、プレゼンして仕事を取り、1、2年おきに大きな仕事を作り出しては部下に任せていった。その内営業担当の取締役になり、まもなく部下達3人のクーデターが起こり、彼らは組合と結託し僕らは追い出された。こんな事もよくある話。このクーデターの首謀者MZは仕事ができる訳ではなく、いわゆるもっと高い給料と地位と銀座のクラブで遊ぶ金が欲しかったようだ。だからくだらないクーデターだった。

先ほどの社長SAはその一人である。仕事の取れない企画を書き、しかし企画部長だったのでマーケ知識はあった。リーダーのMZが癌であっけなく死んだ後、無難に社長を務めている。多少の管理能力はあるのだろう。仕事バカだった僕は経営者にはなるべきではなかった。いつも助けてくれる老社長に頼まれて、断りきれなかったのと、多少の虚栄心もあった。とにかく隔週やる取締役会なんかも時間のムダに思えた。だから辞めるのは必然だったかもしれない。という事でろくでもないMZだったが、ただMZが癌で死ぬ時面白いことがあった。夜マージャンをやりに僕を訪ねて来たのである。しかもいつものようにせこいマージャンで、千点で泣き逃げした。勿論夢である。彼は死ぬ時までせこかった。(悪口ではない。それなりに笑わせてくれた…)翌日昔の部下からMZ逝去の知らせがあった。肺癌だったので時間の問題だったようだ。  (2009年9月29日朝)