すわ大地震! (BD-5)

今まで政治が大きく変わる時何回かそれを暗示する夢を見た。例えばもう記憶も定かではないが、前回自民党政権が崩壊した時、多分自民党が大敗して細川政権ができる時のことだと思うが、その時の夢は結構怖い夢で、その当時僕は霞ヶ関の合同庁舎(元の通産省)の隣のビルの6階にある広告代理店にいた。その夢の光景は驚くべきもので、霞ヶ関一帯のビル街が崩壊し、その辺り一面がコンクリートの瓦礫の山になっていた。当然僕のいたビルも崩壊し所々で煙と火を吐いているのも生々しい。僕は何故か“お父さん”と呼ばれている我が社の社長とその傍に立ち、呆然と瓦礫の山を見ていた。何故か日付もはっきりしていた。夏の暑い盛りの頃だ。

この夢を僕は完全に誤解した。夢の光景から単純に大地震が来ると思った。しかし会社で大地震が来ると騒いでも変な目で見られるだけなので、僕は姑息な手段に出た。夢が示した日付の前日まず家族を田舎の実家(栃木県足利市)に返し、僕は用事もないのに適当な理由をつけて大阪に出張した。その日は大阪で何軒か営業し、夕方駅の近くのホテルにチェックイン、酒を飲み飯を食べすぐに寝た。大阪にいれば大丈夫、家族も東京から離してある。翌日は休日だったので一日漫才を見たりホルモン焼きを食ったりして過ごした。劇場の名前はもう忘れた。(花月かな?)今思えば一度文楽?に行くべきだった。「心中天網島」を人形と濁声の浄瑠璃で見たかった。ホルモンと安酒でいい加減酔っ払っていたので、ホテルへ帰るとすぐ寝てしまった。翌朝ノンビリと目を覚ました。地震は起きなかった。アレッという思いと良かったという思いが交錯した。まあイイや(我ながら不謹慎)備えあれば憂いなしだ…。

テレビで選挙のニュースを見たのはその日の夕方だった。久方ぶりの自民党の大敗だった。そういえば選挙だったのだ、その日かその前日か記憶は定かでない。その頃政治には無関心だったので投票にも行っていない。勿論出張だったので行ける訳もない…。アナウンサーはこれで自民党霞ヶ関で運営されていた日本の政治は大きく変わるだろうとコメントした。まてよ、自民党霞ヶ関政治の大崩壊?しまった、読み違えた!地震ではなく大政変の予告だったのか?自民党と官僚による政治の終焉を告げる夢だったのだ。どうりで廃墟に立つ僕と社長は、死にもせず怪我もせず、ただ呆然と佇むだけ。読み違えで大阪まで逃げてきたとは何と愚かしい、とはいっても僕のような凡人には読みきれないよネ。

小泉の郵政選挙の時は比較的分かりやすかった。小泉が勝つと確信した。大きな旅客機が上から降りてきて、バランスを崩しフラフラ飛んでいる。危ないと思う間にドカンと水平に落ちた。機体はバラバラになり煙を噴き上げている、しかし火は出ていない。その内壊れた機体から威風堂々とした背広の男を中心に続々と肩を怒らした男達が降りてくる。そして一団となり前へ進んでいく。その男は尊厳に満ち自信に溢れていた。顔は小泉ではなかったが、小泉風であった。ホッソリしていてライオンヘアだった。背広は渋いグレーだったような気がする。小泉は今までの日本の政治家と違ってハッキリものを言う政治家だ。調整型ではなく政策型である。

日本の政治家はそういう意味では本当に日本人そのものだ。何を言っているのか分からない。あるいは官僚の答案をそのまま読み上げる。官僚の答案も総花的で曖昧模糊としている。一体何を言いたいのか?だから今回の選挙、民主党の大勝利もそうだが、日本人はやっとハッキリものを言う政治家、ハッキリした政策を掲げる政党を選ぶようになった。それが結果的に多少間違っていても良い、間違いは修正できる。それよりも恐れずに思い切ったことをやるべきである。ヌラリヒョン(これは何?)のような官僚達に政治は任すべきではない。今の彼らは省益・個益しか考えていない。この日本の古い体制を一度完璧に破壊すべきだ。と、話が大きく逸れてしまったので今日はこれまで…。  (2009年10月23日)