ラフトピープル  (SD-01)

その人達は西の大陸の東の端にいた。その海岸には大勢の人達が集まっていた。かなり寒い土地のようで、その海岸の岸壁と海には雪が積もっていた。でも何となくザワザワと賑やかだった。人々の雰囲気はけっして暗くはない。そのうち大勢の人達が「いかだを馬に引かせた船」で岸壁から海に乗り出していった。海は鉛色に沈んでいた。ある若者は近くにいる可愛い女の子を連れて海に漕ぎ出していった。いかだはのろいが着実に前に進んでいった。波はない。まるで池の中を進むようだ。ここは大陸が三角形に鋭角に切れ込んだ所で、まず大陸の切れ目の先まで出て、そこから東の大陸に向かうのである。その先は大洋で日本のような列島が先を防ぐ事はない。しかし女性の服装は長いスカートで、昔のヨーロッパのような雰囲気だ。だからモンゴロイドではないようだ。東の大陸には簡単に着く。彼らはそこで新しい暮らしを始めるのだろうか?ある女性達が若者達にニューヨークのような大都会を取るように頼む。大都会は簡単に取れる。でもニューヨークは東海岸だから違うネ。画面は全体に薄暗く空は雪曇である。これは今朝の夢だ…。

ボートピープルはいた。ベトナム難民や中国から日本やアメリカを目指した。今でも中国人の一部は船で日本に密入国するのだろうか?今や飲食店の多くにタドタドしい日本語のアジア人がいる。(ほとんどが中国人のように見える)「イラシャイマセ〜」「アガトゴザマシタ」、でも偉いね、短期間でよく日本語を覚えるよ。しかし夢ではいかだだった。いかだで大洋を乗りきる?しかも馬に引かせて、海馬かい?確かに大型のいかだ舟はあった。例えば揚子江の上流から木材を売るために大型のいかだを作り、そこに土を乗せ、小屋を造り、野菜を植え家族が暮す。そして下流に来るとそのいかだをバラし、木材を売ってまた上流に帰って行く。ヒョツトすると今でもいるかもしれない。そういえば江戸時代、北前船の大商人高田屋嘉兵衛も若い頃、木材運搬でいかだを組み掘っ立て小屋を建て帆を張り、冬の海を大阪から江戸まで航海し江戸市民を驚かせた。いかだ船は波はかぶるが沈まないのである。その後嘉兵衛は大商人になり択捉(えとろふ)航路を開拓したが、ロシアの船につかまり一時オホーツク?に抑留される。

夢では寒い地域でスカートは下が膨らんでいて長い。つまり昔のヨーロッパ風。でも西から東に向かうので、昔のピルグリム・ファーザーズではないようだ。大陸の北の割れ目といえば大きな湾か、ヒョットするとアムール河(黒竜江)か?それとアムール河口の北には大きな三角の切れ目がある。そこにチウムカンという町もある。アムール州の人達がアメリカを目指すのか?東シベリアに何かあったのか、あるいはこれから何かが起こるのか?今シベリアのタイガで大きな異変が起こっていることは確かだ。温暖化で永久凍土が溶け出し、夏になると数百箇所で森林火災が発生し、町に亀裂が走り家が沈んでいる。まさか永久凍土の上に原子力発電所なんか造っていないよネ。そんなことをしたらたちまち大事故だ。でも人々の顔はそんなに暗くはなかった。むしろ新たな冒険に乗り出すという活気があった。馬にいかだという珍妙な組み合わせ…。これじゃあ現実には低気圧の墓場ベーリング海を渡りきらないよネ。しかし今は温暖化で北極海も融けている。太古モンゴロイドは凍りついたベーリング海峡を渡ってアメリカ大陸に広がった。しかし夢は象徴だから馬は移動手段、いかだは乗り物と解釈もできる。でもおかしいネ。「ボートピープル」ではなく「ラフトピープル」だヨ…。 (日時不明、季節は雪のある時期)  (2009年12月3日)