棟割長屋の情景 (SD−07)

僕と家族が棟割長屋の2階の奥の部屋にいる。僕と母と10代後半の姉と?顔の知らないオジサンの4人である。僕もまだ10代である。そのうち下の路上が騒がしくなる。何か英語の声が聞こえる。しばらくすると長屋の急な木の階段をドンドン上がって来る音がする。カーキ色の軍服の将校らしい男と、自動小銃を構えた兵士が部屋に踏み込んでくる。僕らは自然に両手を上げた。逆らって撃ち殺されてもバカバカしい。兵士達は何もせずただ人数を数えているようだ。道路側の部屋には10代後半の姉が?もう二人いる。僕は姉達の安全を心配している。ヒョットすると姉ではなくて女郎かもしれない。すると顔の知らないオジサンは番頭で、母はヤリテババアかもしれない。そういえば母の顔ではなかった。小樽で最後に住んだ家は昔遊郭であった…。その時いつもの小便タイムで目が覚めた。

この長屋はいつもの小樽の家ではなく、戦後すぐ疎開した山から小樽の街に戻り、初めに住んだ暗く薄汚い棟割長屋のようだ。その頃僕は小1で、長屋の古びた障子紙を剥がすと、南京虫がズラリと小さいものが上で大きいものが下に並んでいた。戦後間もなくは南京虫もいたのである。その頃学校で全員がDDTを頭から振りかけられた事もある。何しろ僕は昭和19年の生まれで、戦争が終わる1年前に生まれた。

この夢は12月20日に書いた「旧札樽国道」と関連があるのだろうか?小樽の街が奇怪な氷山のような艦隊に囲まれ、米軍の?攻撃を受ける。今回も米軍である。スタンダップとかホールダップのような声を聞いたような気もする。夢の感じでは米軍に占領されているようである。大規模な軍事基地が沖縄から北海道小樽市に移るのだろうか?


再度眠りにつくと、今度はNGが出てきた。NGは高校・大学と一緒で腐れ縁の友である。NGと僕は町の傍の岩山に登り始める。結構険しい山で、上り口が岩場で10センチ位の幅の足場をよじ登って行く。少し上にいくと平坦な草場に出、そこには女学生らしい女の子が数人たむろしている。その奥は研究所のような建物で僕らはその中に入っていく。広くガランとした部屋で、3人の研究者らしい男がおり僕らは彼等と話す。3人のうちの1人は完全に僕らにタカろうとしている。一番年長の責任者らしい男と話す。彼はこの研究所の予算について語る。ボソリと語った所によると7兆の予算があるようだ。そんな巨額の予算で一体何を研究しているのだろう?

この岩山の夢は過去に何度も何度も見ている。結構厳しい山で高さもある。ある夢では雪の頃この岩山を苦労して登り、帰りに降りられなくなり困惑する。(急な山は登るよりも降りるのが難しい)ある夢では相当高度のある山頂まで女房と登る。頂上の下は意外と広い平場で、丸っこい頂上には何があるか分からない。僕らは頂上までは登らない。平場の反対側には舗装道路が町まで続いていた。苦労して登ったのに何てこった!でもこの夢の意味するところ、山が何を表すのかは今でも全く分からない…。  (2009年12月30日)