腐れ縁の男 (PD-35)

今朝の夢は僕の高校・大学の同級生、お馴染みのNGである。彼は時々僕の夢に出現する。ある意味では可哀そうな男だ。彼は数年前自分の事務所で脳の血管が切れて?死んでいた。家に帰らない彼を奥さんが不審に思い、事務所を訪ね彼の死体を発見した。彼の死は突然だったのだろう。だから彼にとっては不本意な死だった筈だ。いまさらながらご愁傷さまでした。

夢の中で僕はガラス張りの熱帯植物園のような、2階建ての建物の1階にいた。その建物の中は何か電子機器、コンピュータのようなものでゴチャゴチャしていた。僕はその中で机に座り顧客からの電話を受けていた。MT不動産の八文字さんである。珍しい顔と名前の人が出てきたものだ。彼は中々個性的な男だった。背が高くほっそりして顔も長く、やや神経質な感じだった。彼には昔少し仕事でお世話になった。彼の電話はNGの作った広告原稿に間違いがあり、それを訂正して欲しいと言う電話だった。僕は2階にいるNGを大声で呼んだ。彼はンンッと面倒臭そうに返事をし、ニヤニヤ笑いながら降りてきた。ただそれだけの夢である。(でも彼が笑っている夢は珍しい。だから少し懐かしい…)

彼が死ぬ前まで、僕は彼と組んで仕事をしていた。それは弱者連合のようなもので、会社を潰してパッとしない僕と、あまり流行らないデザイナーの彼との組み合わせだった。彼との最後の仕事ではクライアントが潰れ、僕は彼に迷惑をかけた。ただ潰れたのは彼が死んでからである。それまでも彼との仕事は続いていたが、僕は彼が安く早くしかも手堅くやってくれるので(早い・安い・うまい?まるで吉野家だ)彼に頼んでいた所があり、質の高さはあまり求めていなかった。そういう意味では弱者連合であり、腐れ縁的な組み合わせだった。

彼は死んだ後も時々僕の夢に出てくる。それは僕にとって良いことなのか悪いことなのか今も良く分からない。僕に仕事を持ってきてくれるのか、僕の邪魔をするのか?でも邪魔はしないだろう。腐っても高校・大学の同級生だから…。  (2010年2月3日)