フォークのハシリ (PD-39)

それは本当にフォークのハシリだったハズ。二人の名前も良く憶えていない。ベティ&クリスだったっけ?それとも違う名前か?日本でフォークソングが出てきたのは多分ボブ・ディランの「風に吹かれて」やPPMの「500マイルも離れて」ではなかったっけ?そのしばらく後マイク真木が「バラが咲いた」を歌った。それらがハシリだった。今から40数年前?いやもっと古いか…。

僕は札幌の街で車の助手席に乗ってテープをかけようとしていた。その曲は「♪花びらの白い色は〜恋人の色〜オ〜」?という奴だ。音もハッキリ聞こえた。ハモリも中々美しい。夢の中でも音楽の音は聞こえるんだ…。何故この歌なのかは良く分からない。別段好きな歌でもなかったし。フォークはその後吉田拓郎が衝撃的に出てきて、フォークの全盛時代を作った。その時にイズミヤやカマヤツも出てきていた。(イズミヤは「春夏秋冬」一曲だけだったが…)

僕は車の助手席でその曲を熱心に?聴いていた。車は札幌の中心街へ向かっていた。三越デパートの有る交差点へ。しかし渋滞で中々前に進まない。車を運転していたのは女性だ。外人か誰なのか良く分からない。「♪ふ〜るさとのあの〜人に あの〜人に…?」曲は流れ続ける。雪は降っていなかった。僕は大昔吉田拓郎を一度だけ生で見ている。20代後半でフリーのデザイナーをやっていた頃、日比谷公園の野外でフオークコンサートをやっていた。ステージの前は人で埋まっていた。吉田卓拓郎がステージに出てくると様相が一変した。女子高生・女子中生?がドドドドッとステージに押し寄せた。拓郎は真っ白なスーツの上下を着ギター一本で「旅の宿」を歌った。とにかくカッコ良かった。そして上手かった。ステージの周りは女子高生の悲鳴と怒号?が渦巻いた。僕はこの時初めて身近にカリスマを見た。その時背伸びするホッソリしたセーラー服からはみ出した女の子の背中が眩しかった。

拓郎が終わると醜男のカマヤツが出てきた。真っ白いエレキで歌い始めたが、女子高生は見向きもせずゾロゾロと帰り始めた。怒ったカマヤツは真っ白いおニューのエレキを会場にぶん投げた。キャーという悲鳴が上がった。女子高生というのは残酷なものだ。少しはムッシュの事を考えてやれよ。彼だってスターだしヒット曲も出している。その後の事は良く憶えていない。サイモンとガーファンクルがセントラルパークで最後のコンサートをやった時、何と50万人を集めたという。しかし拓郎の全盛期の人気には敵わないだろう。それだけカッコ良く色っぽかった。今朝偶然に8チャンの小倉の番組に60数歳の拓郎が坂崎と一緒に出ていた。「オールナイトニッポンスペシャル」を二人でやるそうだ。ギター小僧の坂崎も可愛いが、拓郎もいまだに色っぽい。やっぱりカリスマは違うね〜。

あれッ何の話をしていたんだっけ?まあいいや拓郎と坂崎の顔を見れただけでも、今朝起きた甲斐があった。今は誰が人気があるのか良く知らないが、あの狂気と熱気に満ちた(女子高生がネ)カリスマはもう出そうにない…。