SKナイト (PD-41)


SKの顔がクローズアップで出てきた。僕はSKと企画論について話し合っている。どうも彼のほうから意見を求めてきたようだ。僕は広告屋の企画について「目先の具体的なSP技術を語るのではなく、その企業の有り様や業態の新しい提案があっても良いのではないか」というような事を、冷静に話していた。彼の顔は画面いっぱいで、しかもその顔は若い。もう本当は50半ばを過ぎているのだろうが、まだ学生のようでヒゲもなく眼鏡もかけていない。(本当はヒゲが濃く、昔から眼鏡である)

大写しの顔は片目は普通の大きさだが、片目はやや細くなっている。企画論を語る僕に、彼の目はキラキラ光っている?かなり異常な画面に僕は驚いて目を覚ました。こんなクローズアップ画面は始めてである。DA社の夢は良く見て近頃いささか辟易していたが、今日は昨夜からDA社社長のSKの夢を見続けだ。気色が悪いと言うよりは、少し薄気味が悪い。

初めはDMビルが取り壊し中で、近くに行くと営業取締役のWBが近くに駐車場を借りようとしてウロウロしていた。僕は取り壊し中でボロボロになったDAビルの6階のDA社に危ない思いをして辿り着く。中はガラクタの山。僕の天敵のHYがいてウロウロしている。隣の部屋にはSKがいて数人でDA社の後片付けをしている。(やっぱり潰れたのか?それとも移転か?)僕も自分の私物のダンボールが沢山あるので、その中でまだ捨てないで使えるものを選別する。しかしその選別したダンボールの殆どがいつの間にか廃棄されている。夢なので僕は怒りもせず、残ったものを整理している。色々な高そうなバッグ類だ。良くこんなに無駄にバッグを買ったものだと思う。

次の画面はSKが今やっている作業か仕事を止めようとしている。とにかく急いでいる。僕もその仕事の周辺を整理し手伝っているようだ。それで2度もSKが出てきたので少しうんざりしていたが、初めに書いた3度目のクローズアップがあった。僕は元々恨みの薄い人間なので、クーデターで僕を追い出した一人であるSKを余り恨んではいない。本当は音楽好きの(トランペッター)物静かな青年だった。クーデター後彼を取締役に推薦したのも僕である。「クーデターを起こしたのなら、その責任を取れよッ」と言って僕はDA社を去った。

DA社はその後買収に買収を重ねられ、ドンドン小さくなっていった。面妖な零細企業である。(まるでJALのミクロ版だ)こんな変な企業はなくなったほうが世の為だと思うが、それでも昔の部下だった大して能力のない連中が経営者としてシガミついている。彼らにとってここを止めればもう行く所はない。だから潰れるまでシガミついているんだろう。まあそれはそれで彼等の勝手だが、何でSKが一晩に3回も出てくるのか?しかも最後はドアップで…。

彼は僕が辞めた後誰かに「KAさんの企画は本当に凄い」と話したそうだ。僕らを追い出しておいて良く言うよ。確かにその後DA社はパッとした仕事が出来ず、ズルズルと沈み込んでいった。そして僕も今は一人で、しかも老人で何の力もない。でも今日の夢は何だ。最悪SKは死んだのか?いやまだ死ぬ歳ではない。しょうがない、またとぼけて営業で人の良いICに聞いてみよう。「SKは元気かい?」
(2010年2月21日)