いつもの遠浅 (PD-44)

時々遠浅の夢を見る。この海は北に向かって左側にある。だから方向的には日本海側ではないか?海の色は何時も灰色である。つまり僕の生まれた小樽のクマウスの海岸か?何時もそこでウニや貝を取ろうとする。しかし中々取れないという夢だ。遠浅なので水深は深くない。せいぜい膝ぐらいか、深くても潜ればすぐ底に着く程度である。(せいぜい水深2メートル位だ)

今日の砂浜は小さかった。せいぜい幅数百メートル位で丸く湾曲している。ここで僕はいつものように沖へ出て獲物を取ろうとする。遠浅を歩いて少し先の小さな島というより砂州の上に出る。僕はここで何か獲物を取ろうとしている。あるいは将来に向けてその準備をしている。そこに娘のYKが来る。YKもここを目に付けていたようだ。その後で青年が来る。可愛い顔をした(TKグループののSTさんのようなイイ男。娘のボーイフレンドのTG君か?)人の良さそうな青年だ。

僕はこの砂州のゴミを拾って戻ろうとする。この砂州をキレイにして今後に備えようとしている。帰ろうとすると遠浅は市場のように沢山の店が並ぶ賑わいに代わっている。帰り道は座敷になっていて畳敷きである。僕はそこを通って戻るらしい。とにかくゴチャゴチャした商店街で、大漁旗のようなハデな満艦飾の旗が軒先を埋めていて歩くのも難しい。

僕はそこで父の顔を見つけた。何と懐かしい。父は死んで以来八幡様の手伝いで忙しく、メッタに僕の夢には出てこない。父は若くて元気そうな顔をしている。大昔戦争に行った時の写真のように、顔は若く髪も黒々して眼がキラキラ光っている。(昔は皆出征前に軍服を着て記念写真を撮った)彼はここで何か事業を立ち上げているようだ。海産物関係の工場か店か?でも父は生きていた時は大手パン屋の事業拡大に邁進していた筈だ。でも確実に何かやっている。僕はその事業を手伝うのか?

そのあたりで目が覚めた。時計を見ると朝9時を過ぎていた。夢は色々なものの象徴でもある。ウニや貝は収入、お金を象徴するだろうし、遠浅はその漁場、商売の場を現すだろうし、父も必ずしも父ではない。僕の仕事にとっての父親役を表す時もある。だから女房は僕の仕事のパートナーの事もある。

これは数日前見た雪の中のクルーザーの夢とも関係するのか?でもあれはクルーザーではなく大型のパワーボートだったかもしれない。雪の中を走るボートにマストはなかったから…。でもとにかく父の若やいだ顔を見たのは久しぶりだ。夢が何を意味するか分からないが(あるいは単なる不可解な夢…)懐かしい事だ。  (2010年2月28日)