アートフル・ナイト (SD-19)

今夜は一晩中アートっぽい夢の中にいた。画面はずっと暗かった。まず始めは暗い街の中を逃げ回る事から始まった。何か小さなものを持って逃げ回っている。仲間もいたような気がする。そして町から逃げ出し緩やかな巨大な斜面の道を下り、谷の途中の棚のような所に着く。棚の下は底の見えない奈落だ。その狭い棚には籐か木で作ったお椀のような小さな小屋が規則正しく2段に並んでいる。地面は砂漠というか乾燥した土くれで木や草はまるで生えていない。不毛の深い谷であった。(まるでフェリーニの映画のようだ…)

僕は一つの小屋に入る。入ってみるとソコソコの大きさがある。中には一人の老人が僕を待っていた。老人は「持ってきたか」と訊く。僕は持ち出したものを渡そうとする。そこに若い男が入ってくる。昔TAで一緒だったオカマのようなSTだ。(彼の顔を見るのは30数年ぶりだ)彼はここで工芸品のようなものを作っているらしい。(元々彼はデザイナーだ)老人は僕らの上役か師匠か?その時別の男が入ってくる。僕は持って来たものをあわてて部屋の隅に隠す。それは豆単のような小さな本だ。その上に小花を刺繍した白いハンカチを被せる。しかし豆単が少し見えている。男はそれに気づきその本に手を伸ばす。という所で第一回のトイレタイム。(この豆単は一体何だろう?)

次はやはり暗い芝生の緩斜面に大きな黄色いシートが敷いてある。(イエローカードの象徴か?)その上でDA社の連中が5〜6人で酒盛りをしている。YZやWBやONもいる。そして僕も年長者として迎えられる。僕はそこに灰皿がないのでどこかから持ってきてそこに座る。緩斜面なので座りづらい。周りは他にも沢山酒盛りをやっている。(これはヒョットすると6月末の株主総会の暗示か?)

その次は、僕は会社の仕事を終え若い女の子をつれて港の方へ行く。(何となく小樽の感じか、それとも横浜か?)画面はあくまでも暗い。女の子はスラッとした美人だ。そこには大きなロフトのような建物がある。中は暗い広大な空間だ。僕の友人のFNがいる。彼も小樽出身のデザイナーだった。今はリタイアして家の近くで水彩風景画の先生をやっているようだ。彼らはその中でタブロー(油彩画)を描いていた。画面は皆暗く抽象的で何が描いてあるのか良く分からない。何十面も壁に絵がかけられている。そこに絵描きとその仲間が群がっている。絵はドンドンと変わっていく。ドンドン塗りつぶされ段々暗くなっていく。こんな絵で商売になるのだろうか?

しかしFNが言う。このグループは今国に補助を貰うように働きかけているんだと。こんな訳の分からない絵で補助が貰えるんだろうか?僕の連れて行った若い女の子も絵を描き出した。そして方々に連れ回されている。しまいには人混みの中で何処にいるのか分からなくなった。その内若い小柄な女の絵描きが僕の方に近づいてくる。僕の腕を取って自分の絵を見てくれと言う。僕は彼女の絵のほうに近づいて行った。

彼女の絵は80号位でその中ではあまり大きくない。(大きいものでは3×5メートル位あった)彼女の仲間の女性が2人いてジッと僕を見つめている。僕はもっともらしく彼女の絵を批評する。各パーツは写真のように上手く描けている。(本当に写真のようだ)しかし絵全体にハートがないと。彼女らはこうして人を連れてきてパトロンを探しているのかもかもしれない…。そこで目覚ましのベルがなった。

そういえば数日前3チャンネルでアート評論?をやっていた。何と昔の僕の仕事仲間MMが喋っていた。彼は日本の政府が文化やスポーツに理解がなく、力をいれず、韓国や中国にドンドン遅れを取っていると嘆いていた。例の「アニメの殿堂」についても、クール・ジャパンの代表的なアイテムなのに簡単に潰してしまって、これではこの分野でもその内中国・韓国に追い抜かれるだろうと嘆いていた…。番組の最後で彼のクレジットを見たら画廊経営者と出ていた。もう数十年会っていないので彼の頭は見事に禿げ上がっていた。しかし眼光は昔より鋭い。

実は数年前僕は「国際MANGAミュージアム東京」の企画を作成し方々をセールスしていた。大手出版社やテレビ局、大手企業へと。多分DTにも持っていった筈だ。その内「アニメの殿堂」のプランが政府案で出てきた。瞬間的にパクられたと思った。これは当時の自民党政府の景気刺激策だと思うが、多分流れは政府がDTにアイデアを求め、DTがこの案を出したと思う。少しコンセプトを変えて。僕のようなフリーのプランナーはよくパクられる。デジタルサイネージの企画もDIにパクられた。持ち込んだ先が悪かった。持ち込んだ出版社の担当がDIの出向だった。(ここ数年こんな事が何回か続き企画を書くのが馬鹿らしくなった。もっともフリーのプランナーは、余程大きな勢力と結びつかないと大きな仕事は出来ない)

アニメの殿堂」も本当は「MANGAミュージアム」で行くべきだと思う。アニメの原点はマンガだし、MANGAはドンドン海外に広がりその世界的評価も高い。(日本のマンガは文学=小説に匹敵する。この世に存在するあらゆる事象〜些事まで取り上げられている。我々が目にする新たな世界…)僕の企画も勿論マンガとアニメ両方を展示する。そして日本の大手出版社は本当はマンガで食っている。だから僕の企画は大手出版社がお金を出し合って、テレビ局や大手企業も出資、世界的モニュメントとMANGAのワールドビジネスの拠点としての「国際MANGAミュージアム東京」を建てるという企画だった。(観光だけではなく、エンタメとビジネスと教育の拠点)予算も確か60億で、殿堂の150億よりはるかに小さな予算で実現出来た筈だ。(DTはすぐ予算を膨らませる)しかし今の日本の出版社にはそんなパワーはなかった。だから今でも本当に残念な企画である。(しかし今後もこの企画は、何らかの形で実現する可能性がある)

それと日本という国が本当に文化やスポーツに理解のないのが悲しい。彼らはこれらのビジネスの可能性に気づいていないのか?政治家や官僚達の知性を疑いたくなる。これらは今や世界でも巨大なソフトビジネスなのに…。役所の作った無駄で膨大な予算に振り回され、今後日本を伸ばす必要な所にお金が落ちていない。だからパフォーマンスの事業仕分けだけでなく、国家予算全体を厳しく見直し、必要のないものは思い切って大ナタを振るうべきだ。役所の積み上げ方式では予算は決して減らない。(今年度の肥大化した予算を見ればよく分かる筈)そして思い切って官僚も予算も減らすべきだ。(国家公務員30万人の内20万人以上は出先機関にいる。多分この20万人は不要な筈だ)しかし江戸時代以降、日本の文化を進めてきたのは百姓・町民だったから、これは日本の悲しい宿命なのかもしれない。


このブログは僕の不可解・不条理な夢のメモだが、内容が少し現実的になりすぎているかもしれない。気をつけよう…。でもこのアート系の夢は一体何を示すのだろう?近頃僕の夢の中の世界は広がり、その内宇宙船で月まで行ったりして。(今「アポロ13号」を読んでいるが、かなりスリリングだ)それにしても何だか恐ろしい今日この頃…。  (2010年6月2日)