バスガイド (PD-106)

この頃暑いので朝起きるのが遅い。一度午前7時頃目覚ましで目を覚ますが、それからもう一眠りする。今年は熱中死が多く、しかも80%は70代以上の高齢者だそうだ。日本は近頃暮しづらく、生きにくくなっている。収入の少ないお年寄りはそれだけ頓死の?危険性も高い。家にクーラーも扇風機もなく、窓を閉めきって死んでいるお年寄りを、どう表現し哀悼したらいいんだろう?そういう意味では日本はまだまだ豊かな国とは言えない。(あるいは以前より貧しい国になっているのではないか?)

この頃にわかに問題になっている、100歳以上の高齢者の行方も中々不気味な問題をはらんでいる。家の中から白骨化した死体が発見され、その子供たちが年金を不正受給している。子供たちといってももう70代以上だ。その背景にやはり生活の苦しさがあるし、健全な社会の崩壊の姿がある。そして長寿国日本の実体は怪しくなってきた。隣近所の事が分からない不可解・不条理な社会。自分の周りは皆異邦人だ。一時都会の中での孤独死が話題になったが、この問題も根は同じように思える。(家族関係の崩壊、近隣関係の崩壊)

高齢者問題はともかく、僕は今日も11頃まで寝ていた。最も午前3時頃まで本を読んでいたから、睡眠時間はそれほど長くはない。今朝の起きがけに見た夢は近頃多い情景だ。僕は札幌におり、大きな観光バスに乗っている。街はウッスラと雪に包まれている。(雪は僕の夢では高質を現す)バスは大きな倉庫のような所で止まる。多分南一条西?丁目で、円山公園と札幌都心の中間位の所だ。バスからバスガイドあるいはツアーガイドのような、中年の恰幅のいいオバサンが降り皆を案内しようとする。しかし乗客はバスに留まるか、自分勝手にどこかに散っていく。ガイドの傍には女性が一人いるだけだ。僕は札幌を良く知るためにも、ガイドについていった方が得と思い彼女の傍に行く。そこで目が覚めた。

だからこれもあまり意味のない単なる情景だ。しかしこの頃札幌に行く夢が多い。それと意味的に言うと、バスは会社や組織を現すことが多い。そして運転手はその会社の社長である事が多い。このガイドも恰幅が良くどうも何かの事業の経営者かもしれない。僕は彼女に付いていこうとする。札幌は良い街だが僕の仕事(広告業)には向かない街だった。だから大学卒業後上京し今まで東京に住み着いてしまった。広告の殆どは東京に集中している。出版業もそうだし、日本の場合は殆どの企業の本社が一極、つまり東京に集中している。これは本当は良くないことだ。だから早く道州制になり多極的国家に転換したほうが良いと思う。

僕も高齢になりソロソロ札幌に帰るのか?この頃時々札幌で仕事をしている夢を見る。それと昔は冬が厳しかった札幌も近頃は温暖化で、冬は雪があまり降らず夏もかなり暑い。今年あるいはこれから熱帯化する東京から、ソロソロ北海道に移住する時期か?僕だけではなく多くの人達が…。

この頃五木寛之の本を良く読むが、彼は完全なデラシネ(根無し草)である。幼児の頃北朝鮮から帰国し、それ以来一所不住で方々を転々としている。幼少の頃からの不条理な出来事が、最近になって彼を深い仏教徒に変えたのかも知れない。何しろ仏教の根本原理は「諸行無常」である。彼の両親は学校の教師で帰国前に母を失う。大日本帝国を信じていた父は九州に帰ると無頼の徒に変貌する。戦後はこのパターンが多かっただろう。とにかく何をやっても生き延びていかなければならない。父には最愛の妻を失った衝撃も大きかった。


そんな状況で五木は流転・放浪の徒になる。でも野坂のように焼跡闇市派にはならなかった。むしろコスモポリタンになった。彼は世界中を飛び回る。日本の住まいも一所不住である。話はスッカリずれてしまったが、雪の札幌で女性ガイドについて行く夢だった…。  (2010年9月2日)


※数日前?今年の熱中症による死者は全国で400人を超えたと書いたが、9/3のニュースで家畜(牛・豚・鶏)はもっと悲惨であった。今年の猛暑で既に43万匹死んでいるという。少し前には黄蹄疫?で大量殺戮が行われたのに…。家庭ではペットの熱中死も深刻である。本当に今年は人畜草木?にとって過酷な夏である。気象庁は観測開始以来の異常気象といっているが、それは認識の違いでこれから毎年益々ひどくなる筈だ…。