谷間のカフェ (PD-108)

今日は懐かしい顔が出てきた。DEテニスクラブ裏コートの仲間、というかアンママとともに仕切屋であったテッチャンと奥さんが出て来た。僕は谷間の森に住んでいて近くの村のコーヒーショップに出かける。景色は曇っていて白茶けていた。だから森も木も鮮やかな緑ではなかった。まるで昔山小屋で見た曇天の朝のような感じだ。白い霧に包まれて全てが白茶けて見えた。でも今日は霧が深いわけではない。

僕はテッチャンがサイフォンでコーヒーを沸かしている細長いテーブルの椅子に腰かけた。テーブルは凄く長く5メートル以上あった。安っぽい造りで座るとグラグラした。そのテーブルが直角に同じ長さで繋がっている。でも造作はそれだけで、草原の中に長いテーブルだけが置かれている。山小屋さえない。先客が一人いてコーヒーを飲んでいたが、それが誰だか思い出せない。(知っている顔なのに)

突然テッチャンが消え、代わりに奥さんがサイフォンの傍に立った。彼女も懐かしいテッチャンママだ。この二人は頭も良く渋とい負けないテニスをやった。パパは足が速く確実に返してくる。しかも素人特有の手打ちのテニスだ。ママは色々な球を打ち僕らを翻弄する。勿論いやらしいロブもあげる。パパは東大出の化け学の研究者。ママは田園調布のどこかの学校の英語の教師だった。だからインテリ夫妻でテニスも理論的だった。つまり凄く理屈っぽい。でも二人とも懐かしい顔だ…。


今日は目覚めると雨だった。何と30日ぶりか、40日ぶりか?外は白っぽく雨で濡れていた。でも大気はまだモワッとしていて暑い。しかし夕方になると風が吹き出すかもしれない。何しろ台風9号だ。やっと秋が少し近づいたのか?  (2010年9月8日)


※昨年位から台風が沖縄近海でも発生する。それだけ温暖化が進み海水の温度が高くなっているのだろう。しかもコースも変わってきた。日本縦断型ではなく、日本横断という今までにない進路を取る。台風9号も裏日本から日本のど真ん中を横断して、関東を抜けそうだ。お陰で関東にも大雨注意報が出ている。長い干天の後は急激な豪雨だ。また多摩川が氾濫しなければ良いが?(以前多摩川べりの家が流された時、僕は電車で多摩川を渡っていた。電車は注意深くユックリと鉄橋を渡る。茶色の濁流が橋ゲタにぶつかり、無事渡れるかどうか恐ろしかったことを思い出す…)