怖〜い誘惑 (PD-110)

昨日は一応ジュセリーノに敬意を表しリビングのソファで寝た。僕の寝場所は大地震が来ると、明らかに本やボックスが頭の上に落ちてくるからだ。まあ今日一日の辛抱だ。できるだけ安全な場所にいるようにしたい。できれば何もないほうが本当に有り難いのだが…。

しかしソファは寝づらかった。中々眠りつけなかったので、しょうがないので水割りを作り2杯も飲んでしまった。その挙句とんでもない薄気味の悪い夢を見てしまった。色っぽい夢かと思ったら、何だかグロテスクな夢だった。

僕は何人かと飲んでいて飲み屋を皆で出る。若い女の子が「部屋に寄っていかない?」と言う。近くに彼女の住まいがあるようだ。それほどの美人ではないがまァまァ可愛い子だ。(若い娘はその若さゆえに美しい?)僕はフラフラと付いていく。そこは木立の中の古い木造家屋だった。女の子が引き戸をガラガラと空ける。6畳位の畳敷きの部屋だ。僕は女の子に付いて部屋に上がる。部屋はみすぼらしいというかボロボロだ。

女の子は「風呂に入らない?」と言う。確かに体を綺麗に洗った方が良い。それはお互い様だ。部屋の右隅に高さ1メートル位の、大きな土製の竈(かまど)のようなものが有り、その上に横長の金ダライが置いてある。どうもそれが風呂で、竈に上がりその風呂に入るようだ。僕は服を脱ぎブリーフ一枚になり、金ダライを下に降ろして入ろうとする。というか小さいのでそれで体を洗おうとする。

すると竈の奥の襖が開き、婆さんが顔を出し娘と何か話している。部屋の左側の襖からも爺さんが顔を出す。その内玄関(先ほどの引き戸)がガラガラとあき、ハゲのオジサンが入ってくる。どうもその子の旦那のようだ。僕は苦しい言い訳をしつつ服を着て靴を履いたが、靴が何だか汚物にまみれている。それでもかまわず家を出て表通りに戻ってくる。何だ一体、失礼な女の子だ。何だか凄く貧しいようだ。全てがボロボロだった。(ヒョットすると貧乏神?しかも女の…)

僕は表通りを新橋に向かって歩く。空はもう明るくなっている。突き当たった外堀通りは新橋より遥かに下で?新橋に向かって登っていく。しかしかなりの距離がある。僕は虎ノ門に行こうとしていたが、良く考えると家は多摩川だ。女房は僕が帰らないので心配しているだろう。でもこれから一時間以上かかりそうだ。新橋で地下鉄銀座線に乗り渋谷へ出、渋谷から東急線多摩川に出る。と考えていたら目が覚めてしまった。


何だか薄気味悪い家で、おまけに旦那に袋叩きにされる恐れがあった。地味風な女の子の怖〜い誘惑だった。ソファの夢は不気味だった。やはりソファになんかに寝るもんじゃないヨ…。  (2010年9月15日、ジュセリーノの予告の日)