黄緑の汚水 (PD-132)

土手のような坂道をゾロゾロと人が下ってくる。色々な男たち、女達がいる。皆フォーマルな格好をしているようだ。何か集会か会議の後のようだ。左手は灰色の海で、右側は毒々しい黄緑のぶくぶくアブクの浮く、見るからに恐ろしげな運河?のようだ。僕はその集団の中で、黒いドレスを着た若い女性に語りかける。女性は喜んで何故か後ろ向きにドンドン走り、その汚い黄緑の運河にドボンッと落ちる。僕は瞬間的にその運河に飛び込んだ。その女性を助けようと。

その瞬間色々な思いが心をよぎる。この時期こんな冷たい運河に飛び込めば心臓が止まるだろう。あるいはこんな汚い運河に飛び込めば只では済まないだろう。多分この汚水にはヨウレイ菌を初め無数のバクテリア、ウイルスが溢れているだろう。でも僕の性格として体が止まらない。思わず危険に身を投じてしまう。以前にもバイクでカーブを曲がりきれなかった男が転倒し、道の真ん中に放り出されたのを見て、僕は思わず道に飛び出しその男を助けた事がある。自分も車にはねられる恐れがあったが、体が先に飛び出してしまう。本当に困った性格だ…。

ドブは身を切るように冷たかった。僕の体はしびれ、水の中で体がこわばるのを感じた。でもこのままでは僕の心臓は止まる。僕はもがきながら水面に浮き上がる。そして少し離れた所で溺れている女性を見つけ、彼女を引きずり岸壁に近寄る。そして女性を集まってきた男たちに渡す。女性は引きずりあげられる。僕は自力で岸壁を這い上がる。僕の体はずぶ濡れで異臭を放っているだろう。僕の次女のYO子が水道のホースを持ってくる。僕はホースを持ち頭から水をかぶり、体中を洗う。でもそんなに綺麗になったとも思えないが、夢なので悪臭はしない。

僕はいつの間にか黒塗りの車に乗っている。車で家に送られるようだ。隣に太目の若者が乗っている。若者は料亭の話をする。料亭は僕も時々行っていた。常連は色々と問題のある会長のTB、お父さん社長のKM、それと僕も時々お相伴に預かる。この若者も行っていたようだ。この若者は多分会長の縁者だろう。料亭はバカバカしい。昔何度か会長に声を掛けられ料亭麻雀をやった。深夜麻雀をやりながら次々と料理が出てくる。場所は銀座の昭和通りを渡った所だ。明け方車で帰るがタクシー代は自前だ。僕はタクシー代を稼ぐ為に必死で麻雀を打った。(僕の自宅は横浜なので、その頃でも1万5000円以上かかった)料亭への払いは会社だが、4人で20万円位もする。誘われなければ決して行かない所だ…。


夢はテレビの音で破られる。僕の寝室とリビングからステレオで聞こえてくる。しかも別々の局で…。僕はこんな汚い話は書きたくなかった。でも記録なので止むを得ない。ああ恐ろしい。何と気持ちの悪い夢だ…。  (2010年11月10日)