黒子部隊 (PD-134)

今日は一晩中テニスイベントの夢を見ていた。昔僕のやっていたシニアツアーをトーナメント・ディレクターのKW氏がやろうとしている。彼はそのための黒子部隊を作っている。文字通り真っ黒なタイツのような衣装で、顔までも真っ黒である。何故真っ黒けにするのか意味が分からない。でも上から下まで真っ黒だった。

準備が整うと僕に声がかかってくる。僕は手伝わされるようだ。僕は気が進まない。こんなイベントはもういいよ。やりたくもない。しかし僕は会場になる競技場や大会本部らしき所に行っている。何か取材をしているようだ。それと夢に出てくる競技場はいつも有明ではなく、都下にある施設のように見える。

KW氏は今はもうJTAの重鎮になっているだろう。元々ハンサムな名選手で、行動も如才ない。つまりやり手だし海外にも顔が広い。だから僕なんかに声を掛ける必要もない筈だ。僕は声を掛けられてむしろ迷惑している。それも直接ではなく人を通してである。どうせやるならATPの現役の大会のほうが良い。日本にはグレードの高い大会は女子のPPOしかない。ジャパンオープンは昔からグレードが低かった。ろくな選手が来ない。

それは日本の競技施設がちゃんとしていないからだ。日本には1万人規模は有明しかない。しかも屋根付は一箇所だけだ。これではグレードの高い大会は開催できない。日本は昔からGDP世界二位の国といっても、こういうところはスポーツ後進国?だ。大国は皆屋根付センターコートの他に屋根付のサブコートを数面持っている。だから雨が降っても大会は進行できる。勿論野外コートは数十面持っている。ウインブルドンはその全てが芝コートだと思う。考えてみれば物凄い贅沢である。そういう点では日本は昔から姑息である。商業ベースに乗るものは立派になった。ゴルフ、野球、サッカー。しかしテニスは個人戦で日本人に強い選手は出ない。特に男性が駄目である。この過酷な体力消耗の激しいスポーツは日本人には向いていない。だからもう僕は日本のテニスイベントはやりたくもない。(僕も30年やっていたテニスを数年前辞めた。もう体力の限界だ)


せいぜい一部の愛好家達がノンビリとクレーコートか人工芝コートでやっていればいいスポーツでしかない。あるいは世界を目指さない程度のジュニアスポーツとして、マイナーにやればよい。僕は現役の時30年位日本テニスの普及と世界進出のため努力したが、結果的には無理な事が分かった。日本人の体力的な限界だけではなく、そのための国の支援も前述したとおりである。それでもこうして時々夢でうなされる。まあ長期間非力ながら頑張ってきたので、夢でうなされるあるいは気にかけるのも止むを得ない事か…。  (2010年11月14日)