「MTD−2] (PD-135)

これも多分「MTDドリーム」だ。つまり「またかいドリーム」である。僕はテニスクラブで一人で歩いている。前から右翼のYDさんと美人のオバサンが二人来る。僕はちょうどいいと思い声を掛ける「やろうよッ」と。つまりそれだけで通じる。テニスは麻雀と同じで4人が必要だ。4人はコートの方に歩いていく。でもまだコートは空いていない。

この美人のオバサンの一人はDEテニスクラブにいた人だ。上手い人で、裏コート専門の僕はやった事がない。右翼のYDさんは横浜のYGテニスクラブの飲み仲間だ。でもこのクラブは何だか高低差が大きい。コートとコートの間は急な石の階段で繋がっている。僕の小さい頃よく行った小樽の住吉神社のようだ。小樽の街は坂が多く、この神社も海の神様で急な階段を登っていく。水天宮もあったがこの宮も丘の上にあった。小樽は大きな港町だが、昔はニシン漁で賑わった。港に隣接するクマウス海岸やアサリ海岸にニシンが押し寄せた。だから春になるとこの海岸の近くは身欠(みがき)、つまり干してある大量のニシンの臭いに包まれた。

僕の幼少の頃最後のクキが来た。群来と書いたかもしれない。夕方浜辺へ出ると落ちこぼれたニシンが拾え、そのまま夕食のチャブ台に乗った。それにしても豊かないい時代だった。北海道は食事の時も豪快で、ナスの浅漬けも大きな樽に一杯漬け、一回の食事で家族皆がほとんど食べてしまった。トマトもトウキビも山盛りで出された。冬になると色々な漬物(大根・白菜・ニシン漬け・ベッタラ漬け…)の他、ハタハタのイズシも美味かった。それとハタハタも幾らでも取れ安かったので、頭を取り醤油で大量に煮付けたが、骨まで柔らかく全部食えた。今でも忘れられない優しい味であった。


でも近頃はハタハタも取れなくなり、形も小さくなった。昔のように豪快に食せなくなった。考えて見ればこの50年で自然の豊穣なものが随分失われてしまった。美味いニシン漬けももうあまり見かけない。今では入っているニシンもかけらになってしまった。でも何処からこんな話になってしまったのか?僕は右翼のYDさんとテニスをしようとしている。彼はこの頃時々僕の夢に出てくる。ヒョットすると彼は僕に会いたいのかも知れない。そのうちまた連絡を取り、久しぶりに会うのもいいだろう…。  (2010年11月19日)


住吉神社住吉三神神功皇后息長帯姫命)を祀る。海の神、航海の神。全国に約600社ある。住吉は元「すみのえ」と読み、「澄んだ入り江」の事であり、天皇の即位の儀式に関係する。日本神話でイザナギが禊(みそぎ)をした時、綿津見三神とともに住吉三神も生まれた。

※※水天宮:久留米が総本社、全国にある。天御中主神安徳天皇平徳子平時子を祀るものと、別の神を祀るものがある。仏教の神「水天」信仰(インドのバラモン神話の神、ゾロアスター教ではアフラマズダ)と関連がある。「水分=みくまり」とも繋がる。水と子供を守護し、水難よけ他多くの効用がある。農業・漁業・海運・水商売・安産・子育てなど。