「アトランティスのハート」 (PD-145)

スティーヴン・キングの小説「Hearts in Atlantis」は別に恐怖小説ではないが、何時までも心に残る懐かしさがある。11〜12歳のボビーとキャロル、サリーは田舎の町で親友である。キャロルはそのうちボビーとキスをして彼のガールフレンドになる。ボビーのアパートには謎の逃亡者が入ってくる。キャロルが町のチンピラ達(別の学校の上級生)に襲われバットで殴られ肩を脱臼した時、ボブはキャロルを助け老人の所に連れてくる。老人テッドはキャロルの肩を治してしまう。しかしその老人は追跡者に見つかり異空間に連れ去られる。

ボブはその後キャロルを襲ったハリーをバットで叩きのめす。160センチの少年が180センチを超える上級生を叩きのめす。しかし殺しはしなかった。相変わらずアメリカの凶暴さ。これは「スタンド・バイ・ミー」の時も同じで、アメリカでは子供といえどもそんなに穏やかではない。キングはこの年代の少年達を描くのが好きである。「タリスマン」の主人公もこの年代だ。多分アメリカではこの年代に少年期を脱するのだろう。3人はそのうちバラバラになる。しかし意外な縁が彼らを繋いでいる。そして40年後、ボビーが50代になった頃、ボビーとキャロルは再び故郷の町で出会う。不思議な老人テッドが二人を導く。彼らのハートはやはり繋がっていた。彼らは公園の木陰で肩を寄せる。何と切ない優しい話だろうか…。

この小説は映画化され不思議な老人テッドはあの怪優ジョージ・スコットが演じた。しかし僕は見ていない。こんな地味な映画が果たして日本で公開されたかどうかも分からない。(キングの映画で日本でも有名だったのは「スタンド・バイ・ミー」や「グリーンマイル」「シャイニング」などである)僕は本当はこの映画が見たかった。怪優スコットが善役をやるとどうなるのか?そのうちビデオ屋で探してみよう。でも多分ないだろう…。

今日の夢はキングとは関係ないが、その落とし所がこの小説の結末のようにハッピーと懐かしさに溢れていた。そして画面は全体にオレンジがかっていてぼやけていた。僕の今の目の状態に合わせたものだろうか?初めの夢は僕のテニスイベントでマッケンローとコナーズがテニス愛好家達を相手にエキジビをやる夢である。彼らは協力的で、それと周りの女性達もこれに協力する。場所は何だか広い丘陵である。(DEテニスクラブの連中か女子連か?)実際のイベントでもこれは「チャンピオンズ・チャレンジ」として実施された。彼らは海外でこういうエキジビは慣れているのか、実に見事な連携パフォーマンスを披露してくれた。例えばマッケンローがわざとスマッシュを空振りする。すると慌ててコナーズがこのタマを追いかける。会場は爆笑で沸いた。考えてみれば何と豪勢なエキジビだった事か…。


次の夢はこれも時々出てくるパターンで、僕は二人の女性を連れてツアー?に出る。といっても大きな和風建築の中で、次から次へと部屋を渡り歩き無事に外に連れ出す事が命題になる。途中色々な危ない仕掛けや、訳の分からない部屋や女性が出てくる。僕らはチャレンジにとうとう失敗する。僕らは閉じ込められてしまった。そこにあのSD夫婦が出てくる。そして僕らを助ける。何時もは僕を邪魔し出入り禁止にしていたSDが僕を助ける。つまり今日の夢は全て結果オーライであった。今日の夢は何時ものイライラさせられるものではなく、あの小説のように何かの魔法が働いて最後には全て上手くいく。そして懐かしい情景が展開される。まあ有り難いといえば有り難い夢だった…。  (2010年12月18日)