ああ恐ろしい! (PD-162)

今恐ろしい夢を見てしまった。僕の最愛の娘YO子が高い所から落ちた夢だ。ああ何と恐ろしい。はじめは娘と一緒に近くに遊びに行った。娘はまだ幼児だ。3歳か5歳か?(実際は今年5月に31歳になる)家に帰ってきたが途中ではぐれた。家でしばらく待っても帰ってこないので、僕は女房と探しに出ようとする。この家は高い所に建っていて、5M位のほぼ垂直の石垣の上に建っている。僕らはそこを鉄製の梯子で登る。ただ立てかけてあるだけの危険な梯子だ。隣を覗くと、昔団地で隣に住んでいたMTさんが家族で寝ていた。

するとYO子が別の部屋から出てきた。ああ帰っていたんだ。僕らは安心した。するとYO子がトコトコと庭に出て、狭い芝生の端から真下にストンと落ちてしまった。この狭い芝生の先は何の柵もなく、そのままストンと奈落になっている。ゴツン!というすごい音がした。5Mの高さでしかも下はコンクリートの下り坂。僕はあわてて梯子を駆け下りた。周りを見渡すがYO子はいない。アレッおかしいと思ってよく見ると、道路脇の狭い下水道の、2箇所ばかりコンクリートの蓋の外れた中にYO子が見えた。YO子は生きていた。そして突然乳児になっていた。僕はあわてて抱き上げたが、顔や目はまるで生まれたばかりのようだ。シワクチャの赤い顔とまだ見えない大きな黒い目。普通であれば全身打撲で命はない。しかし彼女は生きていた。しかも下水の汚物をかぶって…。

僕は「YO子、大丈夫かッ?」と叫んで彼女を抱き上げた。彼女は手足をムズムズ動かしている。体は一見どこも損傷していないように見える。夢なので?娘は泣き声を立てない。僕は上にいる女房に大声で呼びかけた。「救急車を早く呼んでくれッ!」そして僕はYO子を抱いて梯子を上りだした。でも固定していない梯子である。それとどっちみちすぐに救急車に乗せなければならない。多分僕は判断を誤ったんだろう。案の定梯子はグラリと揺れ倒れそうになった。僕は何とか上に辿り着き、何とか女房にYO子を手渡す。僕はそこで目を覚ました。そしてガバッと跳ね起き娘にメールを打った。「高い所から落ちる夢を見た。気をつけてッ!」と。YO子夫婦のマンションは羽田空港傍のペンシルマンションの確か10階の部屋である。高所恐怖症の僕は一度だけ訪ねたが、下を見るだけでも恐ろしかった記憶がある…。

でもこの夢にはもっと別の恐ろしさがある。実は今日は僕ら老夫婦の引越しのため、近くの公団に契約に行く予定だ。(今は公団と言わないが)安い年金暮らしの僕らにとって本当は公団に入ることは経済的に厳しい。しかし姉夫婦(長女)の家を出なければならない事情があり、どうしても6、7万の家賃は覚悟しなければならない。そうすればどうしてもYO子に金銭的負担をかけてしまう。女房はもう64歳なのでパートの口も難しい。僕も67歳なのと腎臓が悪いので、もう労働は無理である。だからもし引っ越しても今後の生活の見通しは立っていない。だからもしこの契約をすれば、YO子は重い経済的負担を背負うことになる。姉夫婦は現状ギリギリでやっているので、僕らを援助することはできない…。


そういう背景があるので、今朝の夢は本当に嫌な夢だ。僕は今日YO子に正直に今朝の夢の件を話し一緒に考えてみよう。どうすれば一番いいのか?実はYO子の僕らへの援助は40年以上も前夢に見ている。YO子が僕らを助けている。その時は僕も元気で自信満々だったので、僕はまだ子供のYO子に「お前に助けて貰う夢を見たヨ。YO子もたいしたもんだな〜」と笑いながら告げた。しかしその後しばらくすると、僕の不運が続き、自分の会社を潰し、やはりYO子の援助を受けることになった。だから今はYO子が我が老夫婦のマネージャーをやってくれている。つまり僕らの不足な部分を彼女が補っている。だから本当はもうこれ以上彼女に迷惑をかけたくない。本当に困った事態だ。でも今の所は有効な手立てはない。情けない親だッ!一体どうすればいいんだろう? (2011年3月24日)