懐かしのTJ  (PD-172)

昨夜の前半は時代劇の?夢。僕らは10人位、ズラッと横一列に並んでいる。まるで石原軍団みたいに?皆白っぽい練習着?を着て、上も白く袴も白い。上は縫い跡がダイヤ型になっている。そして近くの道場にヤットーの練習に行く。皆若々しい。僕だけが70近いジジイなのか?それとも僕も若いのか?自分で自分を見れないのでよく分からない…。そして僕は多分黒鞘の長刀を腰に差し、頭もチョンマゲだろう。でも長刀の重さは感じない。僕は体もでかく腕前もソコソコらしい。(実際は162cmのチビだが)結構自信たっぷりだ…。

目覚める前の夢は何と昔懐かしい夢だ。学校か大学の広いホールの人混みの中で、昔の親友TJの顔を見かける。まさか他人の空似では?でも彼が横を向くとハッキリTJだと分かった。彼はまだ若い。まるで昔のままだ。女の子に持て、いい男のタカジョーだ。僕は思い切って彼に声をかける。「おいッ!タカジョー」彼は僕のほうを振り向く。やはり奴だった。でも彼は笑わない。今まで数度彼の夢を見たが、彼はいつもムッツリしていた。僕は彼に近づき僕の作品について話す。二階の展示室に僕の作品があるよと。今日は学校の文化祭のようなものか?学校は人で混み合っている。僕は立派な?都市計画のようなものを展示している。頭の中に綺麗な茶色っぽい建物群の図面が浮かんでいる。それは大型のパンフレットになっているようだ…。

TJは二階に上がり僕の作品の展示コーナーにやってくる。そしてそこにいた僕の仕事仲間のTRから、僕の作品のパンフレットを受け取る。夢の中の荒唐無稽。TJは学生時代の仲間、TRは現在の仕事仲間だ。だから本当は二人に接点はない…。でも僕にとっては懐かしい男に出会ったもんだ。僕はさっきTJに「元気かッ!」と声をかけた。彼も「元気だよッ!」と声を返した。でも彼は笑っていなかった。昔はいつも笑いの絶えない男だったが…。僕は彼の会社が潰れてから彼には一度も会っていない。そして僕もそのあと自分の会社を潰してしまった。彼の会社は札幌だった。今も札幌で暮らしているんだろうか?

学生時代は北海道教育大学のデザイン科グラフィツク専攻で、僕らは仲良しで、いつも3人で飲みに行っていた。もう一人の親友、IDを選考していた顔の長いMT、つまりムーさんも40台半ばで?夜釣りに行き海にはまって死んだ。つまりこの3人組は“不幸3人組”だったのかもしれない。でもその頃は将来に何の不安も持たず、楽天的な人生を送っていた。TJがたまに夢に出てきても決して笑わないのは、自分の会社の破産を恥じているのか?それとも僕の会社の破産をとがめているのか?大体今も元気でいるかどうかも分からない。でも夢はいい。時々懐かしい、本当に会いたい人に出会える…。


僕は4月の末にこの横浜の高台にある公団団地に引越してきたが、何だか明るい事が続く。ここは居住環境が凄くいいし、2LDKの部屋も老夫婦二人には十分な広さだ。昨日も次女夫婦が尋ねてきて、久しぶりにギターを弾いて下手なユーミンを歌った。ユーミンは昔の僕ら家族の旅行の時のテーマサウンドだ。僕らはよく家族4人で旅行をしたが、キャンプやペンション泊まりで。そして車の中のテーマサウンドはいつもユーミンと拓郎とビートルズだった。特にユーミン、それも荒井由実の頃の曲が好きだった。♪小さい頃は神様がいてとか、ベルベット・イースターとか、懐かしいあの人に〜とか、海を見ていた午後とか。家族で車の中でテープに声を合わせ皆で歌った。僕らは幸せ(パープリン?)家族だったのかもしれない…。


今度の引越しはそういう意味で、何だか昔の幸せが少し戻ってきたような気がする。皆年を取ったが。それは人間である以上どうしようもない事だ。あるいはそれは至って自然な事だ。でも僕も女房も年をとっても、その精神状況は昔とあまり変わらない。どちらもまだ気持ちだけは若い、というか若気の至りだ?僕などはいまだに夢見る少年だ。いや老年だ。それとこの頃は昔の懐かしい人に、夢で会えるようになった。♪懐かしいあの人に〜人混みの中で会った〜。でもそれがいいことか悪い事かはよく分からない。ヒョットするともう僕も先が長くないのかもしれない。でも別にいいや。子供の頃は体が弱く、自分でも長生きできないと思っていた。それがもう70近い。ヒョットするとお釈迦様のように80まで生きるかもしれない。でもそれは天のみぞ知るだ…。