断崖絶壁 (PD-176)

昨日の夢は多分個人的な事だと思う。僕ら、つまり不特定多数の人達が、幾人かのリーダーに率いられて急斜面を降りていく。画面は明るいので陽の照る昼間だろう。その急斜面には緑と岩が多く青空には白い雲が浮いている。景色としては俯瞰的で美しい。でもいつも見る夢は、斜面であれば山や塔を登る夢なので、山野を降る夢は珍しい。しかも大人数で。この団体は?数百メートルの横幅で急斜面を降りていく…。大げさに言えばある部族が大移動する。でも実態はあとで推理するが、あまりいいものではないと思う。 

僕らは急な崖を、どこかに降下地点を見つけ慎重に降りていく。崖の一部が岩場になっていて、その岩を這い降りると上手く下の斜面に辿り着ける。つまり難関を次々にクリアして降りていく。まるで山歩きの講習会のようだ。ところがある地点まで来ると、下は垂直の崖がストンと切れ落ちていて数十メートルの高さだ。しかも皆オーバーハングしている。僕は数百メートルの横幅を歩き、どこか降りれるところがないか探す。あるいはそこにいるリーダー達に聞く。でもダメだ。皆垂直にストンと切れている。ここから落ちれば死は免れない。でも空は青く足のすくむような壮大な景色である。僕らは困惑する。どうしょう?進むに進めない…。そこで目が覚めた。

この夢はどこかの部族が、あるいは民族が歩いて大移動するように見える。明るい陽射しの中を。そして大きな障害にぶつかり困惑する。何処に下降ルートがあるのか?何が解決策になるのか?大げさに考えれば、下り坂を降りつつある日本民族が大災害という大きな崖、障害にぶつかる。あるいは原子力事故という未曾有の障害が襲う。国民もリーダたちも困惑する。しかし複数のリーダーがいても特に目立つ人はいないようだ。なるほどいかにも日本的だ。集団指導体制で皆で相談して決める。しかし誰も責任は負わない。いかにも日本的な情景だ。でも確実に分かるのはひたすら下降していく事だ。だから日本人にとっても本当は有り難くない情景だ…。

でも解決法はある。素人の僕でもそれは分かる。登山テクニックでザイルを使い、一人一人懸垂下降?すればいいんだ。数十メートルだったら着実に下に着ける筈だ。まずリーダー達やベテラン達が下降ルートを作る。それに従って皆一人一人降りていけばいい。時間は掛かるがこれが一番確実なやり方だ。でも高所恐怖症の僕はどうしよう?何だかよく分からない夢の情景だが、僕個人としてはもっとプライベートな解釈も出来る。今僕は糖尿病性腎臓で入院を迫られている。しかし安い年金生活者なので入院費用がない。そこで先日区役所に相談に行き、生活保護申請をする事になった。今の生活保護は年金はそのままで、不足分を補填する。僕にとって最も重要なのは、医療費がただになるという事である。今年は既にもう通院・治療費で多額の出費を余儀なくされている。この医療費に関する特典が有れば僕の生活は随分楽になる。そういう個人的状況を考えると、この夢は意外とプライベートなことかもしれない…。

山を降りる集団は貧しい患者達である。複数のリーダー達は医者である。急な傾斜をそれまでルートを探し上手く降りてくる。病気なので降りることは病気の回復に繋がる?しかしそこで大きな崖=障害にぶつかる。それは回復の難しい病気なのか?高い医療費なのか?生活保護申請の難しさなのか?個人的には高い医療費の象徴かもしれない。そこを生活保護というザイルを使って降りていく。僕はこれから区役所の規定に沿い、淡々と申請に必要な書類やエビデンスを集めていく。もし保護申請が通れば安心して腎臓の治療を受けられるし、入院も可能になる。それと糖尿病の余病で眼や皮膚や歯の治療もある。これらも手を抜くと命取りになる。糖尿病でよく足を切る人がいるが、きっかけは足指の小さな傷だったりする。それが大事に結びつく。だから糖尿病は恐ろしい。僕は足の親指の爪の内側が水虫になった。これも放って置けば壊疽になり、足を切断する事になる。だから糖尿病では小さな傷も馬鹿には出来ない…。


とにかく山を降りるという珍しい夢と、断崖絶壁という足のすくむような情景を見てしまった。でも夢の世界は荒唐無稽だから一々あまり気にしない事にしている。それと生活保護申請も僕の人生経験としては貴重なものだ。僕は今までイベント屋としていろいろな事を経験してきたし(プロモーターやイベンターもやった)サラリーマンの権力争いも(小さなものだが)見てきたし、会社も潰し簡単な訴訟、裁判の経験もある。それは皆経験として貴重なものだ。だから生活保護申請も必要であれば淡々と進めたい。大体サラリーマンの頃、数十年にわたって高額税を払ってきたのだから、少しぐらい国の医療補助を受けてもいいのではないかと思うのだが…。


※今日は6月2日(木)、昨日の夜外出から帰ってNHKの9時のニュースを見ていたら、自民と公明が内閣不信任案を提出したという。永田町は一体何をやっているんだ?小沢、鳩山もそれに同調するという。こんな国や国民が危急存亡の時に一体どうしたんだ?菅の震災対応がそんなに悪かったのか?原発事故の対応がそんなにトロかったのか?でも日本にこんなに原発を乱立させたのは自民政権じゃないか!谷垣に一体何が出来るんだ?谷垣に一体どんなビジョンがあるんだ?権力亡者の小沢に一体何が出来るんだ?せいぜい大衆迎合的な政策だろう。彼には本当の意味での理想や愛国心はない。だから小沢は日本の方向性を大きく間違える危険性がある。多分彼らがやる事は、大量の国債を発行して、復興資金を潤沢にする事だろう。でもそんなに借金を上積みしていって将来本当に大丈夫なんだろうか?でも元々菅と小沢は政策的に相容れない人達だ。だから今の民主党は野合で、いずれ一度解体しなければならなかったのだろう。そうであれば「断崖絶壁」の夢は恐ろしい。誰がリーダーになって、この断崖絶壁を上手く降下できるのか?優れた知恵を発揮できるのは一体誰なんだ?

以前夢に見た民主の選挙惨敗の夢の時には、選挙後も政治は混乱するが、その先どうなるかは分からなかった。ましてや今回の大震災と原子力災害。日本民族は上手く断崖絶壁を降りることが出来るんだろうか?下手をすれば、選択を間違えれば、日本は国際的にもとんでもない所に行ってしまう。隣の異形の大国中国は以前から、東アジア全体を共産化しようと、着々とその布石を進めている。気をつけなければ、日本はその流れに飲み込まれてしまいそうだ…。