ペンシル・ジェット (PD-181)

僕らはその飛行機が来るのを待っていた。その飛行機は僕の病気を治すために来るようだ。僕らは山の上の小さな湖の上にいる。その内ジェット機が飛んでくるが意外と小さい。せいぜい1メートルもあるかないか?僕ら二人は同じ2機のジェット機になって、湖の周りを飛びその飛行機の到着を待つ。僕らは完全にジェット機である。つまり僕らは人間ではなく完全なメカだ。ところがその小さいジェット機は湖の中にポチャンと落ちてしまう。湖も浅く落ちたジェット機は、機体の後ろ半分を白く湖面にさらしている。機体の真ん中に赤いラインが入っている。そしてほぼ垂直に湖に突っ込んでいる。僕らはこりゃダメだと思いそこで目が覚める…。

僕ら2機のジェット機は僕と女房だろう。僕はやや大きく、女房ジェットはやや小さい。病気を治す?もう1機のジェット機は法テラスか(明日の午後相談に行く)生活保護申請か?どうも夢の感じではこの行動は上手くいかないようだ?そうであれば僕の病気は悪くなりっぱなし。僕の先は長くないだろう。僕は乏しい生活費の中から入院や治療・投薬を続けなければならない。まあでもやってみなければ分からない。始めから諦めていても仕様がない。このままでは腎臓、クレアチニンの数値はドンドン上がり続け、僕は近々おしまいになる。ジ・エンド!何と情けないッ!まだ70前なのに。だから近頃の夢はろくでもない。たまにはハッピーな夢でも見せて欲しい。

そのあとの夢は味噌汁の夢だ。女の子二人と味噌汁の話をしている。この人達は昔の職場の同僚だ。一人は女コピーライター、もう一人は女デザイナー。二人とも中々魅力的な女性だ。何だか糠みそ臭い夢だが、どうしてこんな夢を見るのか僕には分かる。近頃腎臓のせいでまともな味噌汁は食べていない。何しろ味が薄い。腎臓は蛋白と塩分制限が全てだ。だから近頃女房の作った味噌汁を完全に一椀食べた事がない。とにかくまずい。薄くて味がしない。僕は昔味噌汁キチガイで、味噌汁の企画を書いた位だ。「日本味噌汁100選」という出版企画だ。普段から食べている定番味噌汁から、全国の美味い味噌汁を集めた貴重なものだ。でもこの企画は仕事にならなかった。それと今では昔食べた美味い味噌汁をもう思い出せなくなってきた。

でも今でも好きなのは日常的なもので、ワカメとアゲとジャガイモの味噌汁、けんちん汁の味噌仕立て、ナメコの味噌汁、ナメコは本当は赤だしのほうが美味い。それと記憶では北海道で食べた、取立ての笹の子の味噌汁、取立ての落葉松の味噌汁(きのこ、こちらではイグチ?という)これは熊の出る山に分け入って取ってくる。涙が出るほど美味く僕は小さい頃3杯もお代わりした。サンペイ汁も思い出せば食べたくなる味だ。勿論我が家は味噌仕立て。生海苔の味噌汁や納豆汁は今でも美味しい。フキの味噌汁もシャリシャリして食感がいい。思い出せばきりがなくなりそうだ…。


でも今や塩を断たれたので、それは叶わぬ夢だ。何と情けない味気のない人生だ。味噌汁一杯自由にならないこの不自由さ。何故か魚や肉はそんなに食べたくないが、塩分不足だけはどうしても慣れそうもない。元々北海道なので味は濃い。だからショツパイ漬物や(美味しい凍った漬物をシャリシャリ食べる)塩の塊のウニの塩漬け、スシニシンなどは今でも好きだ。でも近頃我慢して食べてはいない。それなのに腎臓の数値はドンドン悪くなる。一体どうして?この年になっても人生は本当にままならないものだ。それにしても近頃は何というミミッチイ人生だ…。