闇に蠢く目 (BD-14)

8月4日の夢で“闇に蠢く目だけを光らせた霊媒の夢”を見、それを青森県霊媒、イタコだと解釈したが、どうもそうではないらしい。どうもあの暗闇の中でギョロギョロ目を光らせているのは、やはりもうこの世の人達ではなさそうだ。彼らは真ん丸い顔をして、悪く言えば水ぶくれして異形のものになっている。ヒョットするとあの大震災でまだ見つからない7000人の英霊達か?彼らの目は大きく見開かれており、その表情は驚愕を表わしているようだ。そしてあの暗闇は津波で連れて行かれた海底を表わすのか?何だか気になって今でも時々思い出す。でもそれが事実だとしても僕には何もしてやれない。せいぜい仏前で冥福を祈るばかりだ。あるいは政府がもっと海底まで捜索範囲を広げ、できるだけ多くの死体を収容すべきなのか?

何だか近頃、夏になると随分多くの犠牲者達の話が多い。あの戦争で失われた230万人の兵士と80万人の国民。そして最後に見舞われた原爆の悲劇、たった2発で瞬時に20万人が死に、その後の放射能障害でやはり同数が冥府へいく。戦争の最後には日本軍はいたるところに置き去りにされ、弾丸ではなく飢えで命を落としていく。日本軍はそういう意味でも随分無責任な組織だった。むやみに戦線を広げ、撤退する事さえ出来なかった。そんな狂気の軍隊に僕らは支配されていた。今度の原発事故も本当は起きてはいけない大事故だったし、この不安定な状況は今後もまだまだ続く。それでも原発を止めようとしない狂気の人々。優秀な日本人ならあんな危険な装置に頼らなくても日本はやっていける筈だ。でも今回の大震災でいまだ行方不明の7000人の人達も、早く見つけ出してあげなければならない。そうしなければ彼らは浮かばれない。いつまでも悲しく海底を這いずり回る事になる…。


でもそんな夢を見せられても、僕には何も出来ない。ただ仏前でこの人達の冥福を祈るばかりだ。諸行無常諸法無我一切皆苦…でも突然のこんな不幸をどう考えればいいんだろう?こんな事ではとても涅槃寂静の境地には至らない。多分一生…。