スーパー・ヒラメ (PD-243)

スーパー・ヒラメと言うべきか、それともバカバカしいヒラメと言うべきか?今日は透析に行く前部屋でうたた寝をしていた。この頃は昼間でもすぐ眠くなる。NHKの100分de名著「兼好法師徒然草」を寝転がって読んでいたら、すぐ眠気を催した。

僕の部屋には長女のYEと次女のYO子がいて、僕の部屋で飯を食おうとしていた。二人ともまだ小さい。YO子はまだ5歳位の可愛らしさ。女房はリビングにいる気配だ。僕の部屋も昔住んでいた、横浜市並木の公団団地の部屋だ。実際はもう二人とも30数歳のオバサンだ…。

ふと見るとベランダ側の部屋の隅に見事なカレイあるいはヒラメ?がいた。彼は黒々と横たわっていた。YO子がベランダへ出て遊びだした。するとヒラメは彼女の足の間を潜ってベランダの右端に逃げ出した。奴はスルスルと動く。中々素早い。僕は彼女に呼びかけた。「オ〜イYO子!ヒラメを掴まえてくれッ」と。でも幼児の悲しさ、YO子は何かの遊びに夢中になり、ヒラメを掴まえない。

その内ヒラメはベランダの側壁をスルスル登りだした。僕は慌ててベランダへ飛び出したが、一瞬早くヒラメはベランダを飛び出した。僕がベランダから見下ろすと、奴は見事にヒラヒラと滑空している。でも飛んではいないので次第に下へ落ちていく。僕は長女にヒラメの行方を追わせ、慌てて部屋を飛び出し、5階から下へと駆け下りた。そして長女、姉にヒラメの行方を訊く。「ヒラメは何処だ?」姉は左端にある号棟の左下を指差した。成る程号棟の下の茶色の石積みに混じって、何かゴソゴソ動くものがいる。

赤茶色の石積みは何かの工事らしく、雑然と積まれている。僕はそこに近づいていってヒラメを掴まえようとする。それを察知したヒラメは、いち早く石積みの下に潜り込む。僕は石の間に手を入れて奴を掴まえようとする。でも奴は僕の手をくぐり抜け、左右に体をよじり、さらに深く潜り込む。僕はそっと大きな石を持ち上げた。しかし?その下には何もいなかった!

僕はそこで目を覚ました。何とバカバカしい。僕はヒラメにおちょくられている。僕は寝ぼけ眼で想像する。ヒラメは多分保護色でその場の石に色を変えたんだろうと。でももう後の祭りだ。僕は夢の中でヒラメを取り逃がした。ヒラメは夢の中に消えた。夢から目覚めた僕の手にはもう届かない…。

悲しむべきか、それとも笑うべきか?ヒラメにおちょくられたのは始めてである。午睡やうたた寝は、意外と荒唐無稽な夢を見せられる。でもヒラメは平たいので、空をヒラヒラ滑空しても不自然には感じなかった。それとこの夢は何かの暗示だろうか?それと本当はカレイかヒラメか良く分からなかった。左ヒラメに右カレイと言うが?

考えて見ると女房は5月末に、僕は6月末に白内障の手術をする。このヒラメが左だったら女房の左目手術と対応する。右目であれば僕の右目と対応する。そしてこの目はヒラヒラと逃げた。女房や僕の目の手術が上手くいかないのだろうか?まあでもそれは考え過ぎだ。でも滑空するヒラメはチョット見ものだった…。