思い出せない(PD-264)

今朝5時頃目を覚ます。それまで非常にはっきりした夢を見ていた。それからもう一眠り。起きたのは9時を過ぎてからだ。でも初め目覚めた時のハッキリした夢はもう思い出せない。例えばある地点から別の場所に移動するとか、あるものの形が、別のものにハッキリ変わるというような夢だったが、もう思い出せない。思い出さないから大した夢ではないんだろう…。

二度目に起きた時の夢はまだ覚えている。近頃夢によく出てくる、起伏のある高速道路を車で走っていて、僕はふと脇道にそれる。すると道は降っていて狭い空間に入り込む。そこは3畳間位のコンクリートの部屋、そしてその部屋は天井も低い。僕は動きが取れなくなって、車を脇に抱え後戻りする。そしてその空間の後ろに空いている狭い道を通って外へ出る。近頃僕は時々車を右腕に軽く抱える。

そこは雑草が生えた茶色い土の狭い通路。でも僕はすぐに外に出る。外には広い空間が広がっている。所々に草や木が茂り、遠くに三角屋根の民家も見える。でもそれは何だか不自然な風景だ。黒沢の夢?に出てくる景色のように、美しく幻想的なものではない。何となく不自然で、考えようによっては不気味な映像である。でもそれもしょうがないかもしれない。

これは僕の頭の中で造られた映像だ。だから現実と似てはいても現実ではない。でも一体誰がこの映像を造るのだろう?それは勿論僕自身だろう。でもよく考えると何となく不自然で異形な映像だ。考えてみれば異形の映像は近頃多い。数日前の箱の街も、ディズニーランド風の山や岸壁も、やはり異形で作り物じみている。夢は僕の見ている現実の映像を真似るのだろうが、それは色々なものが混ざった記憶である。でも時には自分の見たこともない映像が現れる。これは一体どこから来るのだろう?でもそんな事を真剣に考えていては気が狂ってしまう…。


まァいいや。昼も夜も僕の頭は忙しいが、空白よりはいいだろう。それにしても人間の頭は、脳髄は不思議なものだ。科学者は時には新しい数式を夢に見るという。でもせいぜい僕は日常茶飯事の映像か、やや異形の景色を見るだけだ…。